脳ドックとは
脳ドックとは、いわゆる脳の健康診断です。これまで脳には別段これといった症状のない方、現在まで脳の病気が見つかっていない方が対象となります。
この脳の健診を行う主な目的は、脳血管疾患の発症を未然に防ぐ(未破裂脳動脈瘤の発見など)こと、また脳の萎縮の程度を調べてアルツハイマー型認知症を発見することなどです。検査の結果、もし脳の疾患等を発見した場合は、速やかに早期の治療を行えるようにいたします。
自覚症状がなくても40歳を過ぎたら受診ください
脳疾患は突然激しい発作を起こして重篤な状態になってしまうことが多い病気です。脳ドックは、こうした脳疾患の早期発見と治療、将来的なリスク評価や重大な発作の予防につなげるために行うものです。一般的な人間ドックでは調べることができない脳に特化した検診だとお考えください。
脳卒中になったご家族がいる、糖尿病や高血圧などの生活習慣病がある、慢性的な頭痛を持っているなどリスクがある方にはできるだけ早い脳ドックの受診をおすすめしています。また、脳疾患は自覚症状がまったくないまま起こることもあります。リスクが高くなる40歳を超えたら、自覚症状がなくても1度脳ドックを受けて専門医に診断してもらい、ご自分の脳の状態をしっかり把握しておくと安心です。
脳ドックの受診をおすすめする方
- 40歳以上で、これまで1度もMRI検査を受けたことがない
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病がある
- 脳血管疾患(くも膜下出血や脳出血・脳梗塞など)の発症歴があるご家族がいる
- 心筋梗塞や狭心症になったことがある
当院では、基本の頭部MRI・MRA検査のコースと、それに頸部MRA検査・頚動脈超音波検査を加えたコース、早期アルツハイマー型認知症診断システムVSRADを加えたコースといった3種類の脳ドックを提供しています。またオプションでさまざまな検査と組み合わせることも可能です。ご希望をお伝えください。(MRAとは血管だけを立体的に描き出す検査です)
当院の脳ドックの特徴
1.最新のMRI装置!早期アルツハイマー型認知症の診断も可能
当院に導入されているMRIでは、VSRAD(ブイエスラド)の画像解析により脳の萎縮を容易に調べることが可能です。アルツハイマー型認知症は、海馬をはじめとした脳の萎縮の程度をVSRADで調べることで早期の発見が可能です。また、MRIで脳疾患の有無を、VSRADで脳の萎縮を調べるため、それ以外の脳疾患や脊髄疾患の早期発見やリスク評価にも大きく役立ちます。
2.早期の脳ドック検査が可能
大学病院と比較し、早期に気軽に短時間で脳ドックが可能です。また当院の院長は日本神経学会の専門医、認知症学会専門医・指導医の資格を持ち、大学病院や基幹病院で多くのMRI検査実績がございますので、安心してご相談ください。
3.ご来院からお会計まで最短45分
当院に導入されているMRIでは、短時間に多くの信号を得ることができ、高速で再構成・転送可能ですから、検査時間自体も短時間ですみます。そのため、ご来院からお会計まで最短45分の脳ドックが可能です。ただしオプションなどによっては1時間程度かかるケースもあります。いずれにしても事前に所要時間をお伝えしています。
4.検査結果は当日ご説明
脳血管が詰まる梗塞、くも膜下出血のリスクとなる動脈瘤、脳腫瘍、脳萎縮などの有無といった検査結果を検査後、すぐにお伝えしています。診断だけでなく、必要であれば治療に関するご相談もその日のうちに可能です。状態や将来的なリスクなどもわかりやすくお伝えしていますので、なんでもご質問ください。(注意:コースによっては結果が後日となることがあります。)
5.脳ドックが19,000円(税別)と継続しやすい費用
脳の状態は定期的な検査でその変化を確認することで、より効果的な予防につなげることができます。当院では、こうした定期的な検査で重大な脳疾患の予防や早期発見につなげるため、継続しやすい料金の脳ドックを提供しています。静音、短時間の検査で詳細な結果を得ることができるため、心理的なご負担も軽減しています。
脳ドックのコースと料金
コース | 料金 |
---|---|
脳基本セット ・脳MRI ・脳MRA |
19,000円 |
脳卒中予防セット ・脳MRI ・脳MRA ・頚部動脈硬化チェック ・血液検査(糖尿病やコレステロール他) ・血圧 ・心電図 |
33,000円 |
物忘れ予防セット ・脳MRI ・脳MRA ・VSRAD ・血液検査(甲状腺機能や葉酸やビタミンB12など) ・血圧 |
35,000円 |
※脳ドックを受けていただいた方には、ささやかな記念品を差し上げております。
オプション検査
重心動揺計 | 4,000円 |
---|---|
骨塩定量 |
2,000円 |
脳ドックの流れ
1受付
ご来院されたら脳ドックをご希望されていることを受付にお伝えください。
MRIの問診票をお渡しいたしますので、ご記入ください。問診票を確認後、ご希望のコースなどをうかがって、MRI室にご案内いたします。
2検査
個室で検査着に着替えます。検査前のチェックを行い、その後、MRI撮影を行います。撮影時間は20分程度です。
3結果説明
検査後、院長が結果についてわかりやすくご説明しています。
血液検査がある方などは結果説明が後日になることがあります。
4終了
窓口でお支払いいただいたら終了です。詳細な結果は後日郵送しています。
脳ドックでの主な検査内容について
MRI検査(MRI、MRA)
MRI※1は脳の断層撮影を行う検査で、脳実質と脊髄の状態をみます。脳腫瘍や脳梗塞、認知症,頸椎脊柱管狭窄などがわかります。
またMRA※2では、脳の血管撮影を行います。こちらは脳動脈瘤や脳動脈狭窄などの発症の有無がわかります。
血液検査
糖尿病、脂質異常症などの有無を調べます。これらは、高血圧症とともに脳卒中の危険因子として重要です。
動脈硬化に対する精密検査である、RLP-Cやリポ蛋白a、脂肪酸4分画、ホモシステインも入っております。
心電図検査
脳梗塞に関連する不整脈(心房細動など)を発見するのが主な目的です。
重心動揺検査
ふらつきを検査することにより脳の病気によるふらつきかをみることができます。
※1 MRI
MRI(磁気共鳴画像)とは、強力な磁場の中に体を入れ、強い磁気と電波を使って体の内部(臓器や血管)を撮像する検査機器です。脳神経内科では、主に脳や脊髄などに生じた病変の診断を行います。症状がまだ現れていない初期の脳梗塞や脳動脈瘤などが診断でき、脳疾患(脳梗塞、脳出血、脳血管病変、脳変性疾患、脳腫瘍など)の早期発見・予防に役立ちます。また,脳の萎縮に関しても的確に判明するため認知症のリスクの評価もできます。
※2 MRA
MRA(磁気共鳴血管画像)とは、MRIと同様の検査機器で行います。ただ造影剤は使用せず、脳に磁気を当ててコンピュータで画像化し、脳の血管のみを画像として映し出します。頭蓋骨の中の血管も見ることができます。動脈瘤の有無などを的確に判別可能です。
脳ドックが受けられない方
下記に該当されている場合、MRI検査ができないため脳ドックを受けられません。
- 心臓ペースメーカー、除細動器を使用している
- 人工内耳、人工中耳を使用している
- 過去に頭部のシャント術、脳動脈瘤クリップ手術を受けている
※手術をした医療機関にMRI検査が可能かどうかの確認をしてください
- 2~3カ月以内に内視鏡検査による内視鏡的手術を行い、止血用クリップなどを使用した
※手術をした医療機関にMRI検査が可能かどうかの確認をしてください
- 1カ月以内に血管内ステントや血管内フィルターを挿入した
- 脳深部刺激装置を使用している
- 脊髄刺激装置を使用している
- 眼球内に金属片がある
- 子宮避妊具を使用している
- 骨折などの治療で体内に金属がある
下記に該当する方はご相談ください
- 入れ墨・アートメイクをしている
- 妊娠の可能性がある
- 磁石式義歯などを使用している
メイクとコンタクトについて
MRI検査ではノーメイクが必須です。お化粧せずいらしてください。また検査中はコンタクトレンズを外していただく必要があるため、メガネや替えのレンズ、保管容器など必要なものをご持参ください。
なお、検査中に材質の確認ができない金属が見つかった場合、検査が中止されます。あらかじめご了承ください。
脳ドックについてのQ&A
脳ドックは人間ドックとどこが違いますか?
人間ドックは、全身の検査を行うもので、一般的な健康診断に加え、それぞれの医療機関により胃腸を内視鏡などで重点的に調べる検査、呼吸器や循環器を専門的に調べる検査などが追加されています。脳ドックでは脳の状態や脳血管の状態を詳細に調べます。これにより、脳疾患や認知症などの早期発見や予防につなげます。
何歳くらいになったら脳ドックを受けるべきですか?
脳ドックを受診されることが多いのは40~70歳代の方です。脳疾患のリスクが上昇しはじめる40歳になったら脳ドックを1度受けて、専門医に脳の状態を確認してもらっておくと安心です。また、脳疾患を持っているご家族がいる、高血圧をはじめとした生活習慣病がある、肥満、喫煙・飲酒などをされている場合には、早めに受けることをおすすめします。
脳ドックでわかることについて知りたい
脳ドックでは、脳の状態、脳血管の状態を詳細にチェックします。また定期的に当院の脳ドックを受けている場合には、どんな変化があったかについても確認します。脳卒中などのリスク、動脈壁の肥厚や硬化、動脈瘤の有無など、発症には至っていない脳疾患を早期発見することもできます。また、脳の萎縮を調べることもできるため、認知症の早期発見にも効果的です。
脳ドックの検査は保険適用されますか?
人間ドックもそうですが、脳ドックは発症していない状態で受ける検査ですから、健康保険は適用されません。治療が前提となっている検査ではないので、医療費控除の対象にもなりません。ただし、お勤めしている企業の福利厚生として脳ドックの補助金を設けていることがありますので、ご確認ください。
MRI検査について知りたい
MRI検査では、脳を含めた体内の臓器や血管などの状態を画像にすることができます。検査では磁場と電波という電磁波を用いて得た体内の水分や血流などの情報を解析し、断層画像に作成します。一般的にあおむけに寝て、トンネルのような筒形の装置に入って検査します。磁力ですから人体への影響はなく、放射線を使わないため被ばくの心配もなく安心して検査を受けられます。なお、体内に金属が入っている場合などでは検査を行えないことがありますので、事前にご相談ください。
MRIの検査時間はどれくらいかかりますか?
当院では短時間の検査が可能な機器を導入しているため、検査自体の所要時間は20分程度です。また一般的なMRI検査はガンガンと大きな音がしますが、当院の機器は静音設計ですから従来の検査に比べて音が静かになっています。
脳ドックを受ける前の注意事項がありますか?
採血検査が含まれているコースの場合、朝食をとらずにいらしてください。また、MRI検査はメイクをしているとできませんので、ノーメイクでお越しください。他にも体内の金属などに関する注意事項がありますので、前項の『脳ドックが受けられない方』をご確認ください。